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2013年4月13日 (土)

ラカンの精神分析とヌーソロジー用語のすり合わせまとめ

ラカン用語を、ヌーソロジー用語と対応づけつつ、
まとめてみました。

ラカンは、心理学の間でも哲学の間でも、
やたら難しいと評判の、フロイト派心理学者ですが、
ヌーソロジーと絡めてみると、少しは理解しやすくなるかもしれません。

ラカンを学習する時は、まず、「鏡像段階論」から理解し、
そこから、「想像界」と、それに対立するものとして、
「象徴界」を見ていきます。
そして、「想像界」「象徴界」の絡みから、「自己」と「他者」の交差の関係を見て行き、
「対象a」や「シェーマL」などの理解を、少しずつ深めていくのが良いと思います。

入門用の本としては、
割と本格的な入門用の書である、新宮一成著『ラカンの精神分析』と、
あと、『ラカン (FOR BEGINNERSシリーズ) 』なんかが、絵付きで楽しく親しんでいくのにオススメです。
 


***想像界、象徴界などの主要な用語***

鏡像段階論:
幼児は、もともと、統一した自分の身体のイメージというのを持っていないので、
鏡に移った自分の姿(鏡像)、
または、「他者から見た自分」のイメージから自分を把握し、
自分自身の統一的な身体のイメージや、
「想像的自我」と呼ばれる、自分の自我を作るという理論。
ヌーソロジー的には、「見られている意識」があるとされる、
『次元観察子ψ4』や『客体』から、
「自分」という「自我」が作られることに該当する。
この後出てくる、「想像界」を理解するのに、キーとなるもの。

シニフィアン(象徴、言葉、記号表現):
概念の表れであったり、言葉であったり、
記号や言葉の知覚であったり、
「名前」であったりするもの。
シニフィアン(象徴)のネットワークが「象徴界」にあたるので、
『人間の思形』にあるものと解釈できる。
また、言葉が「ψ*4(他者のイメージ)⇒ψ3(名前の知覚)」と伝達されるにおいて、
ψ3にあるもの。

シニフェ(概念、意味、記号内容):
概念や意味であったり、
「イメージ」であったりするもの。
シニフィアンとして表れる前である存在。
「想像界」にあるので『人間の感性』にあるものと解釈できる。
また、言葉が「ψ*4(他者のイメージ)⇒ψ3(名前の知覚)」と伝達されるにおいて、
ψ*4にあるもの。

想像界:
「鏡像段階論」において、自我が作られる基盤となる場所。
「鏡像」から作られる自分のイメージ、
または、世界のイメージや、他者のイメージがある所。
人間が「他人の気持ちを考えてみる」という時に、働いている意識の領域。
ラカンが捉えた『人間の内面』といえるもの。
『次元観察子ψ4』によって入門できるもの。
ここでいう「想像」(イメージ)とは、
自分の身体のイメージ、自分の持ってる世界像のイメージなどであり、
『人間の内面』にあるとされる、3次元空間のイメージとほぼ一致する。
そもそも、『人間の内面』とは、
「見られることのイメージ」によって作られた世界にあたる。
また、『人間の感性』にも該当し、
これは『人間の外面の意識』(『人間の外面』とは異なる)にあたり、
抽象的・想像的なものを指す。
「同一化」(後述)によって、
自己と他者とのせめぎ合いの状況が起きている場所であり、
これがψ4とψ*4の関係に対応している。

象徴界:
より純粋な、「シニフィアン」の構造の作るシステムが機能している世界。
数学や哲学の世界において、その純粋な論理のシステムとして働いている。
象徴そのものよりも、
それぞれの象徴と象徴との間に、どのような関係性があり、
背後にどのようなシステム・構造が動いているかどうかが重要視される。
ラカンが捉えた『人間の外面』といえるもの。
『次元観察子ψ3』によって入門できるもの。
ここでいう「シニフィアン」は、例えば「名前」や「言葉」などであるが、
『人間の外面』にあるとされるそれらとほぼ一致する。
そもそも、『人間の外面』とは、
「見られることのイメージによって作られた世界」を、
完全に度外視した、純粋な構造の世界にあたる。
また、『人間の思形』にも該当し、
これは『人間の内面の意識』(『人間の内面』とは異なる)にあたり、
社会の基盤となるシステム的なものを指す。
「同一構造」(後述)において、
自己と他者との入れ替わり構造や、
反復活動が存在している場所であり、
これがψ3とψ*3の関係に対応している。
「想像界」と比べると、概念を掴み取るのが難しいが、
それは、ノウス側の概念である『人間の外面』の難しさに通じている。

同一化:
自分でない「他者」を「自分」と同一としてしまうこと。
「想像界」において行われる。
「鏡像段階論」において、自分の鏡像を「自分」と同一視することにあたる。
「他者の欲望を自己の欲望とする」という作用が、
生存を目的とする人間社会で働くことによって生まれる。
ヌーソロジーにおいては、『人間の内面』側において行われ、
『中和』と関係がある。

同一構造:
(※ラカンが提唱した用語ではない)
「自己」と「他者」が、先天的に「両者は差異を持っているが、それは表裏としての入れ替わりが可能な、もともと同じものである」という、
理解の難しい構造。
「象徴界」にそれがあると思われるもの。
「他者の欲望を自己の欲望とする」という作用の本質であり、
人間がそこへと還って、欲望を達成するべきもの。
「対象a」(後述)の説明における、
「黄金数を導く式」などに、こうした構造が表れている。
ヌーソロジーにおいては、『人間の外面』側において行われ、
『等化』と関係がある。
「同一化」と比べると、概念を掴み取るのが難しいが、
それは『等化』の難しさに通じている。

理想自我:
「君が想定している、理想的な自我」と説明される。
『人間の内面』側にあり、ψ4に主体があると錯覚している自我にあたる。

自我理想:
「君に場所を与え、君自身を見る視点を与えてくれる象徴的な点」と説明される。
『人間の外面』側にあり、ψ3を作っている主体そのものにあたる。

現実界:
ラカンがRSIと呼んだ、
ラカンの精神分析において重要な3つの世界、
「象徴界・想像界・現実界」のうちの一つ。
「現実」と名前がついているが、
むしろ現実からかけ離れた、高次元の領域のことを指す。
人間にとって、「象徴」や「言語」では捉えることのできない、
「普通は見ることができない世界」として存在する「現実」のことをいう。
「象徴界」「想像界」より、見ることのできない高次元的な領域にあたる。
ヌーソロジー的には、恐らく『覚醒』の意識次元に該当し、
「ψ7」の凝縮化によって見出された「ψ*1」などに関係がある。

話し言葉:
人間が話す言葉、あるいは聞く言葉。
ラカン的には、こうした言葉は「他者化」を招くものであり、
自分の主体を、ψ4のある「想像界」側にあると錯覚させるものにあたる。
「ψ9(言語)⇒ψ*3(他者が言葉を話す)⇒ψ4(聞いてイメージにする)」
という構造に対応している。

対象a:
人間の欲望の根元的原因とされるもの。
もとい、その欲望の原因として対象となるもの。
基本的には、それは「他者の欲望」とされる。
それは、掴もうとすると、その本質から離れるような性質を持つ。
ヌーソロジー的に解釈すると、
『反性質(ノウス)』側にあたるものとして解釈される場合と、
『反定質(ノス)』側にあたるものとして解釈される場合がある。
恐らく、『等化』を求める精神と、その『反映』にあたる。
『人間の内面』から捉えるか、
『人間の外面』から捉えるかによって、意味が大きく異なる。
『人間の内面』においては、『反定質』的なものになり、
「糞・乳房・声・まなざし」といった例によって説明されるが、
『人間の外面』においては、「黄金数を導く式」によって説明され、
これは『定質』的なものにあたる。
あるいは、「糞・乳房・声・まなざし」は『性質』、
「黄金数を導く式」は『反性質』と、解釈することもでき、
その場合、前者は、潜在化状態にある欲望の形で、
後者は、それを顕在化した形にあたる。
また、「『定質』と『性質』における『対化の交差』を行い、『反性質』によって等化を成そうとする力と、その反映である『反定質』の力」にあたると解釈することもできる。
これは「『プレアデス』という他者の欲望」にあたるのではないかと思われる。
本質的な力は『反性質』の方向性にあたる。
ラカンの分析においては、
この「他者の欲望」と「自己の欲望」を、
本質的な「対象a」として然るべき方向で一致させることが重要となる。

「自己の欲望は他者の欲望である」:
ラカンにおいて重要な台詞。
ここでいう「欲望」とは、「対象a」による欲望のことを指す。
本来は、「同一構造」として、
「自己の欲望」を「他者の欲望」へと還元するべき所だが、
人間社会においては、「同一化」によって、それを達成してしまう。
これはそれぞれ、『定質』が『反定質』へと、転倒してしまうことにも該当する。
「シェーマL」(後述)における、「大文字の他者」とも関わりが深く、
ψ3~ψ4においては、
ψ*3に対応する他者の欲望が、『定質』の方向性を持っていて、
ψ4に対応する他者の欲望が、『反定質』の方向性を持っている。
 

~対応関係まとめ~

鏡像段階論:
ψ4によって人間の自我が生まれるという理論

シニフィアン:
言葉、名前。
『人間の思形(ψ9)』にあるもの。
言葉の伝達「ψ*4⇒ψ3」においてはψ3にあるもの

シニフェ:
概念、イメージ。
『人間の感性(ψ10)』にあるもの。
言葉の伝達「ψ*4⇒ψ3」においてはψ*4にあるもの

想像界:
ラカンの発見した『人間の内面』といえるもの。
『人間の内面』にその入り口がある。
また、『人間の感性』にも該当する。
ψ4・ψ*4のせめぎ合う世界にあたる。
ψ10に対応する

象徴界:
ラカンの発見した『人間の外面』といえるもの。
『人間の外面』にその入り口がある。
また、『人間の思形』にも該当する。
ψ3・ψ*3のせめぎ合う世界にあたる。
ψ9に対応する

理想自我:
ψ4にあるもの。
『人間の内面』側にあると錯覚した主体(理想的な想像的自我)

自我理想:
ψ3にあるもの。
『人間の外面』側にある主体

現実界:
想像界・象徴界よりも高次元であり、『覚醒』の次元。
ψ7の凝縮化によって見いだした、ψ*1に関係あり

話し言葉:
「ψ9(言語)⇒ψ*3(他者が言葉を話す)⇒ψ4(聞いてイメージにする)」
に対応し、意識を『人間の内面』へと落とし込むもの

対象a:
「人間の欲望の根元的原因」としての「対象」と言われるが、
『反性質(ノウス)』側にあたるものと、
『反定質(ノス)』側にあたるものとがある。
それぞれ、『等化』を求める精神と、その『反映』にあたる。
前者は『人間の外面』側にあり、後者は『人間の内面』側にある。
その本質は、『人間の外面』側にあるが、
普段は、『人間の内面』側から捉えられていて、そのイメージが本来のものから歪む。
「糞・乳房・声・まなざし」で説明されるイメージが、『人間の内面』側から捉えられたもの。
「黄金数を導く式」によって表されるものが、『人間の外面』側から捉えられたもの。
あるいは、『対化の交差』によって引き起こされたもの?
 

~おまけ、映画「マトリックス」におけるRSIの対応~

これは「比喩」による説明にあたる。
(斎藤環著「生き延びるためのラカン」より引用)

想像界:
仮想世界マトリックス

象徴界:
マトリックス場のソースコード

現実界:
マトリックスから目覚めた現実世界
 

***シェーマL***

『NOOS LECTURE 2013 vol.4』付属の資料の図と説明が、
一番簡潔にまとまっているので、それを引用する。
 

Shemal_7

「シェーマL」とは、ラカンの鏡段階の理論に登場する有名な図式だ。この図式に次元観察子のψ3~4、ψ*3~4を直接入れ込んでみよう。 まず大文字の他者A=ψ*3が存在する。これは「わたし(想像的自我)」が生まれてくる以前に存在すると仮定される他者の知覚世界と考えられる。そこに主 体としての「わたし」の知覚世界=ψ3が出現してくる。わたしの知覚には他者の身体が映し出されてくるが、これは大文字の他者が自分の身体だと認識してい るもの=ψ*4であり、そこから主体は他者の眼差しを感じとる。と同時に主体はこのとき、他者の知覚の中に映し出されている自分の身体を想像し自らの身体 イメージのまとまりを作り、そこに想像的自我の拠点=ψ4を置く。以上がこの図式に示されている矢印の意味と解釈できる。

A:
大文字の他者。
ψ*3に対応する。

S:
主体。
ψ3に対応する。

a':
他我。「小文字の他者」とも言われる。
ψ*4に対応する。

a:
自我。
ψ4に対応する。
 

~補足~
そもそも「シェーマL」とは、
自己と他者におけるあらゆる『キアスム』の関係に該当するのではないかと思われ、
ψ3~ψ4の次元以外にも、それぞれ特有の「シェーマL」があるのではないかと思われるが、
ひとまず、人間の自我にとって一番身近な「シェーマL」が、
ψ3~ψ4におけるキアスムにあたる。
 

***ファルス・父の名など***

このあたりは、意識の根元的な所が絡んでるので、割と難しい。
ヌーソロジー用語との対応関係だけ、軽く説明しておく。

ファルス:
「男根」のこと、
もとい、ラカンが「男根」の象徴によって説明している概念。
「他者の欲望」もとい、「対象a」とも関係がある。
根元的な「父・母・子」の関係において、
「母」が「子」に対して求める、欲望の対象とされる。
ヌーソロジー的には、『反性質』側のものにあたる。
潜在化した人間にとっては、『人間の感性(ψ10)』が
『反性質』の方向性を作っているので、
ψ10が生み出す力とも言える。
また、ここでいう「母」は『プレアデス』に対応していて、
「反転したプレアデスの求める力」と言うことができる。

父の名:
根元的な「父・母・子」の関係において、
「子」は、「母」の「ファルス」であろうとすることを望むが、
それを阻害する存在にあたる。
人間の持つ、この「ファルス」と「父の名」の対立が、
様々な葛藤や精神病を生むことになる。
ヌーソロジー的には、『反定質』側のものにあたる。
潜在化した人間にとっては、『人間の思形(ψ9)』が
『反定質』の方向性を作っているので、
ψ9が生み出す力とも言える。
まさしく、人間が用いる「言語」のことや、
そこから派生する普遍的な弊害のことである。
また、ここで言う「父」は『オリオン』に対応していて、
「反転したオリオンの求める力」と言うことができる。

去勢:
「男根(ファルス)をちょんぎること」を比喩に説明されている。
「父の名」によって、自分が「ファルス」になることを、諦めることをいう。
ヌーソロジー的には、『反性質』の方向が閉ざされ、
『反定質』に身を委ねることにあたる。

父の名の排除:
自分を阻害している「父の名」を、拒絶し、排除することを言う。
ここでいう「父の名」は、社会的な規範などを持っているものだが、
それを排除することは、つまり、社会的には狂乱にあたり、
これが、精神病の発症として現れることがある。
ヌーソロジー的には、『反定質』に対する拒絶にあたる。


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